宇宙船地球号
2004 年 6 月 29 日 火曜日「宇宙船地球号」という言葉から漠然と描いていたイメージと、フラーの「宇宙船地球号理論」には大きな隔たりがありました。
「25年程度なら、それなりに正しく未来は予測できる」というフラーがこれからの地球について語ります。それは科学的・論理的なアプローチです。難解な部分もありますが、ところどころにちりばめられたキャッチーな表現が飽きさせません。
オリジナルは1969年に出版。日本が少子化することをすでに予想しているなど、その先見の明には驚かされます。30年以上を経てもなおそのメッセージは新鮮です。
後半の訳者による解説にはフラーの作品等の写真が収録。なかなか感銘深い一冊でした。
こんな奴隷的な「分類狂い」のおかげで、「どこに住んでる?」、「職業は?」、「宗教は?」、「人種は?」、「国籍は?」と、科学的には非論理的 な、さらにはあとで話すように、しばしば意味ももたない数々の質問が、すべて今日では論理的な質問だと考えられている。二十一世紀までに、こんな質問はば かげて反進化的だと、人類にとってはっきりするだろうし、そうでもなければ、すでに人間はこの地球の上に生きてはいないだろう。どうしてそうなのかと理解 できないというのなら、もうすこし詳しく私の話を聞いて欲しい。
(第一章「ものごとを包括的にとらえる資質」より)
私たちが学んだなかで最も重要なことは、ここから成功するとすれば、それは全員が成功するか、ひとりも成功しないか、そのどちらかであるということ だ。物理学が実験的にあきらかにしたように、「統一体(ユニティ)は多からなり、少なくとも二からなる」。鏡像ではなく相補正であり、陽子と中性子のよう なものだ。あなたと私は本質的に異なるが、ともに相補い合う。そして両者の平均はゼロ、つまりは永遠なのだ。
(第八章「再生を続けるランドスケープ」より)
著者/訳者:バックミンスター フラー
出版社:筑摩書房( 2000-10 )
定価:¥ 945
文庫 ( 210 ページ )
ISBN-10 : 4480085866
ISBN-13 : 9784480085863
